新入社員は、碁盤の中で死ぬ石なのか完全に生きる石なのか? まだわからない“弱い石”
こんにちは。
今日は久しぶりの雨ですね。
早々に梅雨入りしたところも
あるみたいなので。
寒暖差や体調不良に気をつけて
お過ごし下さいね。
最近の夢猫ムニャはですね、
ある韓国ドラマにハマっておりまして。
『未生・ミセン』という2012年頃の
ドラマだそうです。
主人公は囲碁のプロを目指して、
子供の頃から、それしかしてこず。
ただただ、プロになる日を目指して
がんばって来ましたが、父親もなくなり
家庭の事情で囲碁のプロになることを諦め
縁故で入れてもらった商社に
就職するお話です。
新入社員はどの人も、ハイスペックな人材ばかり。
主人公は高卒で、特段資格もなく
留学経験もない。
同期の新入社員は、大学もうそですし
留学なども含めて、その商社に入社するまでに
大金をかけてきています。
同期が努力していた間に、
主人公ががんばったのは、囲碁だけ。
インターンで入社しても、
コピー機の用紙の補充も
まともに出来ず、何事も遅いし
鈍臭いしで、同期からも嫌われ
上司たちも、主人公が
うちの部署に配属されないようと
祈るばかり。
それでも努力の質と量が売りだと
与えられた些細な仕事も
全力で丁寧に仕上げていきます。
インターン期間を終えて、
同期は正社員なのに、主人公は
2年の契約社員に。
契約社員ゆえに、理不尽な扱いも受けるのですが
それも受け入れ、がんばります。
彼のがんばりを見た周囲や上司たちも
段々と彼に対しての見方が変わっていくんですね。
そして主人公の上司も、厳しくも
また暖かく彼を見守り、契約社員から
なんとか正社員になれないかと、
人事に掛け合ってはみるものの…
前例がないのでと、人事に煙たがられてしまうんです。
あんまりお話しすると、
ネタバレになってしまうのですが。
この時期にピッタリのドラマだなって。
思う様に仕事をくれなかったり、
新入社員に対して、仕事を教えてくれない先輩。
期待して入社したものの、社会という厳しさを知り
上司や先輩からの圧力に、
何度も気持ちが折れてしまい…
このドラマの主人公以外の同期も
自分の部署で、パワハラだったり
女性だからと差別を受けたり。
みんな問題があるんです。
その度に、同期4人が給湯室で話しをして
お互いを励まし合って。
そんなシーンが、とても微笑ましく思えます。
仕事って、どれも大変なんですよ。
楽して稼げるものなんて、存在しないです。
私も高卒で、地元の企業に入社し
同期もたくさんいました。
男女雇用機会均等法も改正され、
『女性だからって言うと、差別になっちゃうからね』
重たい物も持たされるし、今までは男性がやっていた
仕事も差別しないと、女性が担当する様に。
少し上の世代の女性の先輩は、
みんな寿退社で、30手前で退職。
若くて体力もあり、独身だった私たち世代は
改正された男女雇用機会均等法によって
都合よく使われていたわけなんです。
でも、それが仕事ですからね。
上から降ってくるものは、仕方ない。
力に対して、何もない新入社員が
上司や先輩相手に、力で勝てるわけもなく。
またうちの部署だけ、新入社員が入ってこない。
私のところまでは、毎年いたのですが
私が入社して以降は、毎年来た新入社員は
パタっと止まってしまって。
他部署の同期は、翌年には後輩が出来て
下働きは、新入社員に受け継がれていくんです。
結局丸3年は、新入社員が来ずでした。
3年間、ずっと新入社員扱い。
嫌でしたね、本当に嫌でした。
残業続きで、早く帰りたいのに
簡単な雑務があると、居残りさせられて。
まだ身も心も子供だったんですよ。
責任の意味もわかっていなかったし。
ただね、職場の人に恵まれたというか。
上司や先輩も、男性しかおらず
ミスをすれば、物に当たられたりして
メチャクチャ怖かったです。
その先輩が通るだけで、震えが止まらなくなって:笑
今となってはいい思い出なのですが。
なんだかんだ、言いながらも
育ててくれて、見守ってくださって。
決して褒めることはなく、
褒めるところもなかったんでしょうが、
諦めないで育ててくれたこと。
今考えたら、入社時から
どうしようもないような、新入社員でした。
新入社員ガチャ失敗。
そう言われていたかもしれません。
今考えれば、不甲斐ない新入社員で
本当に申し訳なかったなと。
反省する思いと、感謝の気持ちでしかありません。
このドラマの主人公の上司役の方が
また味のある俳優さんでして。
この方の笑顔がね、本当素敵なんですよ。
いつも主人公から目を離さず、
心の中では、主人公の成長を
誰よりも喜んでいて。
でもお前じゃなくて、別の子が
ウチに来れば良かったと。
直接本人を褒めることは、しないのですが。
常に葛藤し、悩みながらも
この主人公にチャンスを与えたい…
そう思っているんですね。
主人公が売りにする、努力の量と質を
誰よりも理解している上司だと。
新入社員も人間なら、上司もまた人間です。
威張っているように見えたって、
最後は人なんです。
何か言ってしまえば、
パワハラ・セクハラにならないか?
ハラハラしてみたり。
若手の悪口に心痛めてみたり。
老害だと、周囲に疎まれていないか
案外気にしているのかもしれません。
自分の身の保身の上司もいれば、
自分を盾にして、部下や職場を守る上司だって
もちろんいます。
上司も人ですから。
ズルい人もいれば、信頼できる
誠実な方もいらっしゃるはずです。
新入社員て、会社や上司からみたら
何者でもないんですよ。
ベテラン社員に比べれば、
仕事で出来ることって、
どうしたって、少ないわけで。
でも努力や根性やガッツでは、
もはやない時代であることは、
わかっています。
だったらね、与えられた仕事を
丁寧にやってみること。
簡単に見えても、奥が深かったり
そこに向き合う姿勢や気持ちを
上司や先輩は、きっと見ていると思います。
どの仕事も、行き着く先は人ですから。
上司も先輩も人ですし、
自社の製品やサービスを利用して下さる
お客様あってのことだと。
お客様と直接やりとりしなくとも、
それを使って下さる方々を想像し
丁寧な仕事をしてみたら、
きっと何か変わるかもしれません。
仕事で失敗すれば、責任を感じるかもしれません。
でも責任を感じるのと、
責任を取るのでは、立場も意味合いも違います。
深刻な問題が起きれば、最終的な責任は
上司がとってくれると思います。
4月、5月、この2ヶ月で
お仕事を辞めたくなったり、もう無理だと
限界を感じていらっしゃる方も、
実際多いんじゃないかと。
仕事に向き合うスタンスや、
人との関わり方は、転職したって同じです。
人ってね、良くも悪くも人に関わらないと
寂しくて生きていけない生き物ですから。
こんなに便利な時代になって、
スマホ一つで出会いも食べ物も
簡単につながって、届く時代なのに
人間同士のコミュニケーションが
どんどん取りづらくなっていってます。
手軽なのに、取りづらいって。
なんだか難しいですね。
このドラマのタイトルでもある未生(ミセン)。
どんな意味か調べてみたのですが、
碁盤の中で、死ぬ石なのか完全に生きる石なのか
まだわからない“弱い石”を意味するそうです。
仕事で行き詰まったり、
今の職場を辞めたくなったら
ぜひこのドラマ、一度見てください。
なんかね、ちょっと心が温かくなり
人のことが好きになると思います。
*夢猫ムニャ*